834 :本当にあった怖い名無し:2016/07/05(火) 18:20:38.18 ID:MAI2g5Sa0
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政界には「論憲」や9条抜きの改憲といった新手の憲法論議が生まれているが、本書の「憲法学」は、そのいずれかに与するもの
ではない。かといって条文解釈だけの無味乾燥な学問書でもない。日本の憲法と民主主義は「すでに死んでいる」という主張を掲
げ、10年来の不況、財政破綻、凶悪な少年犯罪といった問題の原因がすべてそこにあるとする、実に刺激的で今日的な「憲法学」
なのである。


全体は講義を模した会話調で進められている。著者であり講師役の小室は、経済学や社会学、思想・宗教などの多角的な見地
から、世界史における憲法と民主主義の成立過程を検証していく。その聞き役として登場する編集者の「シマジ」は、日本の平均
的な庶民といった役回り。小室の鋭い論法に彼がうろたえるさまは、そのまま今の日本人がいかに平和ボケしているかを物語って
いる。


講義で指摘されるのは、憲法はその精神を慣習として定着させる努力があってこそ生きるという点と、憲法が国民のためでは
なく国家権力を縛るためにあるという点。そこから国家というリヴァイアサン(旧約聖書に登場する怪物)に対峙した人々や議会、
革命の歴史にスポットが当てられる。『社会契約説』のロック、経済学のケインズなどはそのキーパーソンとして読み解かれてい
る。とくに西欧で民主主義・資本主義を成立させたのはキリスト教とカルヴァンの予定説であり、日本では明治の「天皇教」がそ
の役割を担ったという論考や、デモクラシーがカエサル、ナポレオン、ヒトラーといった独裁者を生んだという指摘などが注目に
値する。


翻って日本はどうなのか。講義では、終盤で日本の憲法と民主主義がいつ誰に「殺された」のかが論じられている。現在の閉
塞状況と小泉首相の誕生。日本がなぜこうなったのかを、本書は教えてくれる。(棚上 勉)


日本国憲法はすでに死んでいる! いわゆる逐条式の憲法解釈とはまったく一線を画す異色の憲
法書。憲法が拠って立つ民主主義の正体を歴史的・学問的に解明しつつ、現在の日本がどうして閉塞状況に至ったかを鮮やかに解
明する。